いつも当ブログを御贔屓にして下さって誠に有難うございます。
いつもの私とは違い、今日は競馬以外の話をしたいと思ってます。
一部自慢話に聞こえてしまったとしたら、本意ではありません。
私の経歴に付いて触れますが、この仕事が本職となる前、私は某大手不動産会社に在職していました。
最初の配属先は営業職。
言葉は悪いですが『営業実績が挙げられなければ使い捨て』の部門です。
他の部署への異動は99%無理。
ところが私は運よく入社したばかりで、即実績を挙げ『期待の新人』として、賞金と表彰を頂き道が開けました。
これは私が配属された支店では数年振りの快挙だったのです。
私がちょうど30歳の時の話です。
しかし営業職は高額な物件を売買するもので、なかなか次の実績に繋がらず、少し焦っていたところ。
思わぬ『配置替え』があり、今度は事務方の仕事をさせて頂く事になりました。
正式には設計部門の事務職です。
これで所得は上場企業の中でも高水準でしたので、高い年収で安定もしました。
この後、今度は審査部門が新たに出来、そこへ配属され立地の調査を担当する事になりました。
この時の直属の上司は私より一回り上のとても厳しいお方でした。
信頼関係が築けるまで約半年掛かりましたが、その間罵声を浴びせられる日々。
その間に『仕事の進め方』を自分なり築き上げ、やっと一人前として認めて頂く事が出来ました。
ところが、その方が本社の役付きとなり異動。
5歳ほど年下の、いわゆる”学卒”採用の管理職へチェンジする事になりました。
この方とは全く反りが合わず、意見の食い違いが発端で大喧嘩してしまいました。
この大喧嘩が元で私は本社への異動を余儀なくされました。
しかしこれが逆にいい方に向いたのです。
本社は全て事務レベルの仕事で、審査部門も引き続き担当。
そこで1年間仕事をさせて頂き、次は元の支店で全く異なる『仲介専門の営業部門』に配置されました。
ここで以前のとても気の合う上司と再開。
昔の事があったので息が合い、ほぼマンツーマンでした。
営業成績は2位が最高でしたが1位は断トツの存在の女性。
競馬に例えればダイワスカーレット級でした。
この人が休日を入れると余りの顧客の多さに、その部門の社員の多くが彼女の顧客フォローを行う程ズバ抜けていました。
不手際があっては大変な事になるのです
そんな中、上司から『次はお前が俺のポジションになるからな!頑張れよ!』と激を飛ばされ、必死になって実績を築き上げようと努力もしましたが、とうとうその女性には一歩どころか3歩以上及ぶ事は出来なかったのです。
そこの部門に配属になった時のエピソードをいくつか話したいと思います。
ある日、薄汚れたジャージを着て、見るからにスっピンピンのおばちゃんが『娘が結婚するので新居を探している』という事で来店されました。
この時の言動がやや粗暴で、多くの営業マンが敬遠しました。
ここぞとばかりに、私が率先して担当する事にしました。
私はこの時、一般のお客と全く同様にごく普通に対応させて頂きました。
そして後日いよいよ契約となる段階で、その女性からある事務所に呼ばれました。
そのジャージ姿の女性。
そこへ行くまで全く知りませんでしたが、かなり手広く事業(大型箱モノ多数所有)を展開されている方で、通されたところは『理事長室』と書かれていました。
近代的な大きなレンガ張りの施設でした。
中に入ると、素晴らしい調度品が並び、ウッドをメインにシックかつ重厚感がタップリの広い空間が現れました。
いかにも高そうな大きなデスクから立ち上がり、私の前に現れた彼女はドレッシーな服をお召しになり、事務所に来店された時とは全くの別人のように変貌していたのです
その時、その方に言われた一言は今でも忘れる事が出来ません。
『あちこちの不動屋に出向いたんだけど、どこもあの格好で行くと対応が悪いのよね(笑)、けど貴方は人を見かけで判断しない素晴らしい営業マンです。だから貴方を選んだのよ。ウチの娘夫婦を宜しくね!』という事を言われ、晩飯まで御馳走して頂き、むしろこちらが恐縮してしまう程の待遇を受けたのです。
この時『人を見た目かけやその場の言動だけで絶対に判断してはならない!』と思ったものです。
これは私の親父から子供の頃から言われてきた事で、自分の子供達にも受け継がせています。
一方でデンジャラスな営業を断行した事も数知れず
一例をあげますと・・・ある月末。
上司が『支店レベルでどうしてもあと5件の実績が足らない』と朝のミーティングで話していた日がありました。
私は何度か行きつけの人材派遣会社の社長のところに迷わず直行しました。
前から進めていた案件があったので、世間話に始まり、契約の話を持ち出しました。
そこで『翌月の契約を今日、この場でしてほしい』と迫ったのです。
しかも10室以上まとめて。
普通賃貸借契約は、まず部屋をいくつかに絞ってご案内し、双方合意の上で申し込みを受け、その際に重要事項説明を行い、後日必要書類(法人契約の場合、登記簿謄本に実印やら社判)全てを揃えて契約書を取り交わし、お金を頂き、鍵を渡して終了。
だいたいこの期間は1週間前後が目安です。
ところがこの時の私はこの一連の流れを『今日1日でお願いします!』と申し出たのですから、社長さんも「借りる人達は来月末からなんだ。今月契約する必要はない!!」とキッパリと断って来ました。
当然ですよね?
その間、誰も入居してないのに家賃が無駄に出て行くわけですから。
そこで好条件を提示しました。
これは流石に本社の決済が無ければ無理な話だったので、その場で上層部とかけあい。
その1ケ月分の家賃を”ゼロ”にするという事で再交渉。
それでも答えは『NO!』です。
実はこの時の私は、『家賃2ケ月ゼロ交渉』という最後のカードを持っていました。
支店のみならず、本社サイドもそれだけ切迫していたのです。
私が社長と話している間に経理部長の女性が現れ『社長!こんな無謀な契約は絶対に止めて下さい!!』と厳しい口調で迫り、『今日この場で契約して下さい』と迫る私との、挟み撃ちとなり頭を抱え出しました。
経理部長の申し出に、社長は『分かっているよ!無理なもんは無理だ。悪いが出直してきてくれ。』とやや語気を荒げて来ました。
そこで最後の例の切り札を出しました。
『10室以上をまとめて2ケ月家賃が発生しない』訳ですから、これはお買い得、いやお借り得なのです。
それでも経理部長が猛反対!!
しかしここでその社長さんが動いて下さったのです。
『分かった。君の言う通りにしよう!』とです。
時計を見ると14時。契約金の振込は15時までに行わなければ実績になりません。
社長が、反対する経理部長を振り払い契約書にほぼ『メクラ判』をバンバン押して下さいました。
よく『メクラ判』という言葉を私は使いますけど、信頼関係の意味も込めて使うのです。
しかし、次の問題は部屋です!!
内見すらしておらず、あるのは図面だけ。
何とも無謀な話です。
重説も行わなければなければなりません!!
同じ間取りの部屋は一緒に重要事項説明を開始。
重要事項の説明は通常早くても1件辺り5分~10分程度掛かるものが、10室以上の重要事項説明を約15分で終了。
ここまでの仕事を終えると、社長さんもほっとしたように『よっしゃ~!もうこれ以上やる事はないよね?契約金は明日でいいんでしよ?』と聞いてきました。
お顔を拝見すると、これで私から解放されたかのような清々しさ!
時計を見ると14時50分頃でした
『いえ!今日付けでお振込をお願いします<(_ _)>』
と、ここで改めて迫ったのです。
さぁ~またまたここからが大変です!
反対していた経理部長は、ここで見事に復活!
今度は猿のように豹変!キーキー!と再度猛反対
『巻き返し』を狙って来ました。
しかしその社長さんの『直ぐに送金手続きをしろ!』の鶴の一声で完了。
最終的に15時5分前に10室以上の契約を一気にやり遂げました。
後処理がやや大変になりましたが、この時の契約は私が去った後も伝説になったそうです。
この契約は何とも無謀でしたねぇ~
一種の賭けでした。
まず営業のお願いに行く先を誤っていたら、契約が取れなかったのですから!
その後その時の経理部長や、他の役員さんともかなり仲良くなれました。
私は未だにこの時の契約の夢を見る事があるくらいです
何が言いたいのか?と言うとですね。
自分が動かなければ何も始まらない。時に波風を立てなければ人を動かす事など出来ないという事です。
つまり成せばなる!何事も!!
読者の皆様、お互い頑張りましょう!
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いつもの私とは違い、今日は競馬以外の話をしたいと思ってます。
一部自慢話に聞こえてしまったとしたら、本意ではありません。
私の経歴に付いて触れますが、この仕事が本職となる前、私は某大手不動産会社に在職していました。
最初の配属先は営業職。
言葉は悪いですが『営業実績が挙げられなければ使い捨て』の部門です。
他の部署への異動は99%無理。
ところが私は運よく入社したばかりで、即実績を挙げ『期待の新人』として、賞金と表彰を頂き道が開けました。
これは私が配属された支店では数年振りの快挙だったのです。
私がちょうど30歳の時の話です。
しかし営業職は高額な物件を売買するもので、なかなか次の実績に繋がらず、少し焦っていたところ。
思わぬ『配置替え』があり、今度は事務方の仕事をさせて頂く事になりました。
正式には設計部門の事務職です。
これで所得は上場企業の中でも高水準でしたので、高い年収で安定もしました。
この後、今度は審査部門が新たに出来、そこへ配属され立地の調査を担当する事になりました。
この時の直属の上司は私より一回り上のとても厳しいお方でした。
信頼関係が築けるまで約半年掛かりましたが、その間罵声を浴びせられる日々。
その間に『仕事の進め方』を自分なり築き上げ、やっと一人前として認めて頂く事が出来ました。
ところが、その方が本社の役付きとなり異動。
5歳ほど年下の、いわゆる”学卒”採用の管理職へチェンジする事になりました。
この方とは全く反りが合わず、意見の食い違いが発端で大喧嘩してしまいました。
この大喧嘩が元で私は本社への異動を余儀なくされました。
しかしこれが逆にいい方に向いたのです。
本社は全て事務レベルの仕事で、審査部門も引き続き担当。
そこで1年間仕事をさせて頂き、次は元の支店で全く異なる『仲介専門の営業部門』に配置されました。
ここで以前のとても気の合う上司と再開。
昔の事があったので息が合い、ほぼマンツーマンでした。
営業成績は2位が最高でしたが1位は断トツの存在の女性。
競馬に例えればダイワスカーレット級でした。
この人が休日を入れると余りの顧客の多さに、その部門の社員の多くが彼女の顧客フォローを行う程ズバ抜けていました。
不手際があっては大変な事になるのです
そんな中、上司から『次はお前が俺のポジションになるからな!頑張れよ!』と激を飛ばされ、必死になって実績を築き上げようと努力もしましたが、とうとうその女性には一歩どころか3歩以上及ぶ事は出来なかったのです。
そこの部門に配属になった時のエピソードをいくつか話したいと思います。
ある日、薄汚れたジャージを着て、見るからにスっピンピンのおばちゃんが『娘が結婚するので新居を探している』という事で来店されました。
この時の言動がやや粗暴で、多くの営業マンが敬遠しました。
ここぞとばかりに、私が率先して担当する事にしました。
私はこの時、一般のお客と全く同様にごく普通に対応させて頂きました。
そして後日いよいよ契約となる段階で、その女性からある事務所に呼ばれました。
そのジャージ姿の女性。
そこへ行くまで全く知りませんでしたが、かなり手広く事業(大型箱モノ多数所有)を展開されている方で、通されたところは『理事長室』と書かれていました。
近代的な大きなレンガ張りの施設でした。
中に入ると、素晴らしい調度品が並び、ウッドをメインにシックかつ重厚感がタップリの広い空間が現れました。
いかにも高そうな大きなデスクから立ち上がり、私の前に現れた彼女はドレッシーな服をお召しになり、事務所に来店された時とは全くの別人のように変貌していたのです
その時、その方に言われた一言は今でも忘れる事が出来ません。
『あちこちの不動屋に出向いたんだけど、どこもあの格好で行くと対応が悪いのよね(笑)、けど貴方は人を見かけで判断しない素晴らしい営業マンです。だから貴方を選んだのよ。ウチの娘夫婦を宜しくね!』という事を言われ、晩飯まで御馳走して頂き、むしろこちらが恐縮してしまう程の待遇を受けたのです。
この時『人を見た目かけやその場の言動だけで絶対に判断してはならない!』と思ったものです。
これは私の親父から子供の頃から言われてきた事で、自分の子供達にも受け継がせています。
一方でデンジャラスな営業を断行した事も数知れず
一例をあげますと・・・ある月末。
上司が『支店レベルでどうしてもあと5件の実績が足らない』と朝のミーティングで話していた日がありました。
私は何度か行きつけの人材派遣会社の社長のところに迷わず直行しました。
前から進めていた案件があったので、世間話に始まり、契約の話を持ち出しました。
そこで『翌月の契約を今日、この場でしてほしい』と迫ったのです。
しかも10室以上まとめて。
普通賃貸借契約は、まず部屋をいくつかに絞ってご案内し、双方合意の上で申し込みを受け、その際に重要事項説明を行い、後日必要書類(法人契約の場合、登記簿謄本に実印やら社判)全てを揃えて契約書を取り交わし、お金を頂き、鍵を渡して終了。
だいたいこの期間は1週間前後が目安です。
ところがこの時の私はこの一連の流れを『今日1日でお願いします!』と申し出たのですから、社長さんも「借りる人達は来月末からなんだ。今月契約する必要はない!!」とキッパリと断って来ました。
当然ですよね?
その間、誰も入居してないのに家賃が無駄に出て行くわけですから。
そこで好条件を提示しました。
これは流石に本社の決済が無ければ無理な話だったので、その場で上層部とかけあい。
その1ケ月分の家賃を”ゼロ”にするという事で再交渉。
それでも答えは『NO!』です。
実はこの時の私は、『家賃2ケ月ゼロ交渉』という最後のカードを持っていました。
支店のみならず、本社サイドもそれだけ切迫していたのです。
私が社長と話している間に経理部長の女性が現れ『社長!こんな無謀な契約は絶対に止めて下さい!!』と厳しい口調で迫り、『今日この場で契約して下さい』と迫る私との、挟み撃ちとなり頭を抱え出しました。
経理部長の申し出に、社長は『分かっているよ!無理なもんは無理だ。悪いが出直してきてくれ。』とやや語気を荒げて来ました。
そこで最後の例の切り札を出しました。
『10室以上をまとめて2ケ月家賃が発生しない』訳ですから、これはお買い得、いやお借り得なのです。
それでも経理部長が猛反対!!
しかしここでその社長さんが動いて下さったのです。
『分かった。君の言う通りにしよう!』とです。
時計を見ると14時。契約金の振込は15時までに行わなければ実績になりません。
社長が、反対する経理部長を振り払い契約書にほぼ『メクラ判』をバンバン押して下さいました。
よく『メクラ判』という言葉を私は使いますけど、信頼関係の意味も込めて使うのです。
しかし、次の問題は部屋です!!
内見すらしておらず、あるのは図面だけ。
何とも無謀な話です。
重説も行わなければなければなりません!!
同じ間取りの部屋は一緒に重要事項説明を開始。
重要事項の説明は通常早くても1件辺り5分~10分程度掛かるものが、10室以上の重要事項説明を約15分で終了。
ここまでの仕事を終えると、社長さんもほっとしたように『よっしゃ~!もうこれ以上やる事はないよね?契約金は明日でいいんでしよ?』と聞いてきました。
お顔を拝見すると、これで私から解放されたかのような清々しさ!
時計を見ると14時50分頃でした
『いえ!今日付けでお振込をお願いします<(_ _)>』
と、ここで改めて迫ったのです。
さぁ~またまたここからが大変です!
反対していた経理部長は、ここで見事に復活!
今度は猿のように豹変!キーキー!と再度猛反対
『巻き返し』を狙って来ました。
しかしその社長さんの『直ぐに送金手続きをしろ!』の鶴の一声で完了。
最終的に15時5分前に10室以上の契約を一気にやり遂げました。
後処理がやや大変になりましたが、この時の契約は私が去った後も伝説になったそうです。
この契約は何とも無謀でしたねぇ~
一種の賭けでした。
まず営業のお願いに行く先を誤っていたら、契約が取れなかったのですから!
その後その時の経理部長や、他の役員さんともかなり仲良くなれました。
私は未だにこの時の契約の夢を見る事があるくらいです
何が言いたいのか?と言うとですね。
自分が動かなければ何も始まらない。時に波風を立てなければ人を動かす事など出来ないという事です。
つまり成せばなる!何事も!!
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